by Sebastian Hohentanner
本誌55号で、アルザスで育つフランス産ホップについて特集し、テロワール(作物が育つ場所特有の自然環境のこと)やそのユニークな品種について紹介した。そして今回、日本人初のホップフランスのアンバサダーが誕生した(訳注:ホップフランスとは、アルザス地方のオクフェルダン郡に拠点を置くフランスの農業貿易会社Comptoir Agricoleが、フランス産ホップを世界のブルワリーに紹介するために創設したブランド)。日本のさまざまな醸造所で10年以上にわたりブルワーとして働いてきた阿久澤健志が、7月にホップフランスアンバサダープログラムの初の銅ランクを受賞したのだ。
アンバサダーに任命されるには、ホップの生産者、流通業者、またはブルワーとして、少なくとも5年間フランス産ホップに関わっている必要がある。その他の条件として、収穫シーズンにアルザスを訪れ現場での経験を積むこと、ホップフランスでの品質管理が求められる。すべてのフランス産ホップをチェックし、独自の香りや醸造特性についての知識、フランスのホップ育種プログラムに関する講義も必須だ。ブルワーの候補者はフランスのホップを使って醸造し、それを積極的に推進する必要もある。そして最終的には筆記試験が待っている。
阿久澤は2017年から何度もホップの収穫に参加してきた。さらに何年にもわたり、日本の醸造所やビールファンにフランスのホップの品種を紹介してきた。現在彼は、沼津クラフト、Rough&Laugh Brewing、FARCRY BREWINGでレシピ開発と品質管理を担当するヘッドブルワーを務めている。クラシックなラガーから現代的なドライなエールまでさまざまなスタイルのビールを醸造し、フランスのホップの魅力を最大限に引き出している。
阿久澤は「フランスのホップはバランスのとれたレシピでは最適な選択肢となるホップです。ドイツ、イギリス、ベルギー、アメリカのスタイルといった、すべてのスタイルへ適用が可能だと私は考えています」と語った。


